いつも行く本屋さんの文庫本コーナーで分厚いものがあるなぁと目に留まり、タイトルとイラストに惹かれパラパラ読んだ。
「引き寄せ系の本だ」と購入。
「実用エンタメ小説」としての内容
本書の表紙には「価値観がぐるりと変わる実用エンタメ小説がついに文庫化」と書かれている。
「神さま」と「みつろう」の会話形式で話は進みながら、「神さま」が語る真実に「みつろう」が気づきを得て「幸せになりたい」から「幸せである」に変わっていく様が描かれている。
ヒックス夫妻「引き寄せの法則エイブラハムとの対話」
佐藤富雄「運命を変える大きな力がもらえる本」
樺沢紫苑「精神科医が教える幸せの授業 お金・仕事・人間関係・健康すべてがうまくいく!」
岸見一郎「嫌われる勇気」
あと、映画「マトリックス」
「良し悪し」ではなく。
本書を読んでいて、このあたりの内容がチラホラと頭をよぎった。
また、エンタメ小説と銘打ってある通り、583ページ(神さまと悪魔とのシーンまで)あるがサクサクと読み進めることができる。
むしろ、「人を動かす」や「道はひらける」の方が読むのに時間がかかる気がする。
超要約
世界の総ては「あなた」で作られていて、「あなた」は観測者である。
この宇宙が「欠乏した状態」から「充足した状態」に戻るための過程であり、ビリヤードのようにすべての未来が確定されたものである。
「あなた」が「あなた自身」だと勘違いしている、「あなた」を演じている「あなた」から乖離し、「今、幸せだと」いうことを理解できる。
感謝は、「途中経過」ではなく「到達地点」である
感想
この本は、エンタメ小説である。
イントロダクションで、神さまとみつろうの出会いの部分のマンガが収録されているが、本文が始まる直前に「あっという間に幸せになれる方法」と黒板に書かれている。
この点から、精神科医の樺沢紫苑氏の「精神科医が教える幸せの授業」とほぼ同義の内容であることがとれた。
この世界は「あなた」が望んだ状態が100%実現した世界ということから話は始まる。
だから、生老病死も「あなた」が望んだ世界であるということである。
生老病死は、四苦八苦の語源にもなる仏教用語で「生まれること」「老いること」「病気になること」「死ぬこと」という人間が避けて通れない苦しみを指す。
この点は「5時限目/死について考える」にて、「みつろうの息子こくとうの友人コーキ君5歳」の父が亡くなる話しが収録されている。
「1時限目/道に落ちているうんこもあなたでできているとしたら」では
「宇宙空間にあるものは、実はあなただけ、なんじゃよ。いつでもあなたがあなただけを見ておる。現実にあるものは全てが、あなたなんじゃ」
「5時限目/未来はすべて決まっている!」から「運命はすべて宇宙のビッグバンのときに決まっている」という点。
「コーキ君のお父さんが亡くなるのは、みつろうが望んだ世界であり、147億年前のビッグバンの時点で確定していたことで、コーキ君もみつろう、コーキ君のお父さんもみつろう」ということになる。
そして、神さまはいう「いいか、ドラマを見ているときに、主人公がフラれると、なぜかお前も悲しくなるだろ?これは心理学でいう「自己同一化」という現象じゃ」
PS3版のGTAⅤ(グランド・セフト・オート5)を2013年頃にプレイしていたが、プレイヤーの視界の範囲にしか通行人や車はポップアップしない。視界の範囲外は「なにもない」。
これの理由は処理スペックの関係だが。
まるでゲームであり、マトリックスの世界だ。
著者のさとうみつろう氏は、この世界がどのように見えているのだろうか?