小鞠知花(こまりちか)/負けヒロインが多すぎる!

まとめサイトの「ゴールデンタイムズ」というものがあり、なんとはなしに読んだ記事。
海外のオタク、「負けヒロイン」を観て過激派になってしまう」で「マケイン」こと、「負けヒロインが多すぎる!」の八奈見杏菜を知り、Amazon Primeで動画の視聴をはじめた。

期待していなかったからこそ、裏切られた。

非常に良い作品に出会えたと思う。
この点については、別に記していきたい。

本記事は、「負けヒロインが多すぎる!」に出てきた小鞠知花(こまりちか)が好きすぎて、無駄に語りたいと思っただけである。

作品中で唯一、ちゃんと告白したヒロイン

文芸部の廃部を回避すべく、幽霊部員である本作品の語り部「温水和彦(ぬくみずかずひこ)」を、部活に誘うことで登場したヒロイン小鞠知花。

文芸部の部長である玉木慎太郎(たまきしんたろう)に想いを寄せていた。

作中でも語っていたが、

「私は人が苦手だし友達もいないし、なんにもできなくてずっと怖くて。それでもようやく自分の居場所を見つけて」

そんな小鞠に居場所を作ってくれたのが文芸部で、玉木部長と同じくらいに、部長の幼馴染であり副部長でもある月之木古都(つきのきこと)のことも大好きなのだ。

1年生の夏休みの文芸部の合宿のときだ。

小鞠は、同じ負けヒロインである八奈見杏菜(やなみあんな)と焼塩檸檬(やきしおれもん)と違って、想い人である玉木部長に面と向かって告白ができた。

小鞠が手持ち花火をしていて導火線の火が消えて花火を覗き込んだときに、火花が復活。あわや顔面に花火の火がふりかかり大やけど!というときに玉木部長が、小鞠の手持ち花火を掴み、小鞠を護ったのだ。

小鞠は最大限の勇気を振り絞り、玉木部長に告白をする。


玉木部長との関係、月之木先輩との関係、文芸部での居場所と小鞠にとって大切で大事にしたいものを賭けて玉木部長に告白したのだ。

ジョジョの奇妙な冒険の第一部、ジョナサン・ジョースターの波紋の師匠であるウィル・A・ツェペリの言葉がある。

「人間賛歌は勇気の賛歌。人間のすばらしさは勇気のすばらしさ」

副部長である月之木先輩も言っている「あの子は告白なんてできないと思ってた」
賞賛しかない。

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知的で家庭的/温水佳樹(ぬくみずかじゅ)の評価

温水佳樹(ぬくみずかじゅ)は、語り部である主人公の温水和彦の妹で、極度のブラコンである。
その佳樹ちゃんが、小鞠を評価した際の言葉が「知的で家庭的」というものになる。

文化祭の準備で睡眠不足で倒れた小鞠を、文芸部顧問である小抜(こぬき)先生と温水くんの二人で小鞠宅まで運び、温水くんが小鞠の様子を見守るシーンがある。

そこに小鞠が「チビスケ」と称する弟の進(すすむ)くんと妹の陽奈(ひな)ちゃんが登場する。
親は仕事で遅いのであろう、弟と妹にお菓子を作ってあげたり、もらったお菓子を持って帰ったり絵本を読んであげる優しい姉である小鞠が作中で語られている。
SSSには、おばあちゃんに和菓子を持って帰っていってあげる描写もあるため、基本的に優しい性格だといえる。
ただ、ヤングケアラーの可能性も示唆されているように感じられる。

また家庭環境・経済状況からか小鞠は節約を心掛けている。
5000円のクオカードを持っていても本は2冊だけ買うと宣言したり、図書館で借りることを前提としている。
印刷も図書館よりも安い学校で行う。と非常に堅実な性格といえる。
食事については栄養の点で褒められる内容ではないが、ロールパンを頻繁に食している。

知的部分については、小鞠が作成した文芸部の発表用資料(作画陣がガチで文章を作成したそうだ)は5万字にのぼる。

シーズン1エピソード11 「結果責任についての話をしようか」

原作は3巻4敗目。アニメでは、シーズン1エピソード11。

「結果責任についての話をしようか」が最高に好きなエピソードだ。

小鞠の気持ちは、痛いほどわかる。
学校にクラスに居場所がなく「楽しい思い出が残る文芸部」だけが唯一の救い。
その救いの場所、思い出の場所を残すためには、小鞠自身が部長として存在し、なんでもできるようにならねばならない。というプレッシャー。プレッシャーが辛くて苦しくて助けて欲しいけど、誰にも助けてと言えない。
なぜなら、元幽霊部員だった温水くん、小鞠から見れば十分陽キャである八奈見さん。陸上部で畑違いの焼塩さんとは仮初の付き合いで、いつか誰もが自分から離れていってしまう。と考えているからだ。
じゃあ、私が頑張るしかない。

健気だ。

内向きの思考になると、「助けて」の4文字が言えなくなる。

追い詰められたからこそ、温水くんの言葉「俺、ずっと一緒にいるから」の言葉だったり、焼塩さんの「小鞠ちゃん、ずっと不安だったんだね。大丈夫。一人になんてしないよ。あたしたちがこれからも友達だからね」の言葉はどれだけ小鞠の救いになっただろう。

先にアニメを視聴していたので、原作を読んでも焼塩さんに抱きしめられる小鞠の目から流れる一筋の涙は脳裏にリフレインし、胸に刺さる。

この瞬間、温水くんには小鞠を幸せにしてほしいと強く願った。

以降のエピソードは原作で読んでいったが、温水くん。そういうところだよ。

水彩画のエンディングがすごい。

各ヒロインが4話ずつエンディングが流れる。

八奈見杏菜は、hitomiのLOVE2000。
焼塩檸檬は、KyleeのCRAZY FOR YOU。
そして、小鞠知花は、Yuiのfeel my soul。

最初、見たときに水彩画風なんだろうなと思っていたが水彩画風ではなく「水彩画」だった。
小鞠の柔らかな印象と非常にマッチしていて、にっこりとなる。

Yuiのfeel my soulは、なんとなく記憶に残っている。
アコギを持った黒髪の女の子だった程度だが。
ということでWIKIを確認したところ、2005年発表作品だがその頃はメタルばっかり聞いていた頃だから記憶がほとんどないのも仕方がない気がする。

小鞠は好きだが、楽曲に関してのみ焼塩さんの「CRAZY FOR YOU」の方が世界観が好きすぎて、「負けヒロインが多すぎる!」マケイン応援!カバーソングコレクションを購入してしまった。

原作での温水くんへの想い

温水くんへの誕生日プレゼントとして、栞をプレゼントしているがプレートの中に「鞠」が入っていて、それに気が付いた温水くんに指摘されるシーンがある。

八奈見さんや、焼塩さんには悪態はつかないのに、温水くんにだけ悪態をつける姿。水飲み場から帰るときに移動する生徒におびえて、温水くんの裾を握る姿。温水くんの妹、佳樹(かじゅ)ちゃんとほぼ変わらない身長から頭を撫でられて奇声を上げる姿。

どれもが温水くんとの仲を進展させてほしいと願うばかり。

途中、温水くんと焼塩さんとの話しもあって、焼塩さんともいいなとは思うものの。やはり小鞠には温水くんしかいないと感じてしまう。
というのも、焼塩さんの点は先述したEDの「CRAZY FOR YOU」の影響が強い。

綾野くんに対して「鈍感系」とレッテルを貼った温水くんだが、そういうところだよ。

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