パワハラの証拠集め用ボイスレコーダー:オリンパスVP-20のレビュー

今、もしパワハラやセクハラを受けていれば、この記事は役に立つ記事になる。
アフィリエイトを組み込んではいるが、私自身が体験したことであるため、実用的であり、実践的であり、事実に基づくことのみを備忘として残している。

証拠集めの録音について

今、一つのことが頭をよぎるかも知れない。録音しても大丈夫なのか?
2024年7月現在の日本において、証拠集め用の録音(秘密録音)に違法性は認められないとされている。

また、秘密録音で録音された音声データに証拠能力があるか否かでは、東京高裁昭和52年7月15日判決にて「右録音テープは、証拠能力を有するものと認めるべきである。」とされた。

民事訴訟法第231条の「この節の規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。」から、音声データは、文書ではないが「第五節の書証」に準ずるものとして取り扱われることになる。

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情報は武器であり、弱点になる

詳細は省くが、私が過ごした職場では当たり前のように「秘密録音」が行われていた。
失言をいかに吸い上げ、有利に立ち回るか?に苦心していた者が多かった。

それは度を越えていくのにも大して時間はかからない。
iphoneの録音から始まり、ボイスレコーダー、隠しカメラ、GPSロガー、素行調査の探偵との契約。
あらゆるもので、会社に盾突く従業員から揚げ足をとり、排斥するための仕組みであった。

会社が従業員を排斥しようとするのは、従業員の立場が強いためである。
立場の強い従業員が情報戦に勝つために動き出せば、逆に有利に立ち回りができるようになる。

iphoneとアプリの組み合わせ

モバイル社会研究所によると、2024年のスマホの普及率は97%となっている。
iphoneに、アプリ「PCM録音」をインストールした組み合わせは非常に有用性が高い。
なぜなら、机上に置いていても、胸ポケット、ズボンのポケットとどこに収納していても、「違和感がない」からだ。
もちろん、アンドロイドにも、同じ「PCM録音」は準備されている。

秘密録音の多くは、iphoneで行われているといっても過言ではない。

ただし、弱点がある。
録音中は、通話中と同じように画面上部に色付きのリボンが表示されているので、画面が表示されたら録音をされていることを察知される。

私は、このため「スマホに触る挙動」に注視する癖がついた。
逆に、挙動が怪しい場合や、チラリと見える画面で、秘密録音を行っているかどうかを見破れる可能性が高くなる。

録音データを吸い上げる際、wavファイル、20分程度の録音で、150MBほどになる。
転送する場合は、Google Driveなどに共有する必要がある。

後述するスマートウォッチ含め、事前準備して録音開始するのはよいが、叱責が始まったときにスマホをいじるのは火に油を注ぐようなものであるため、操作性に難ありといったところだ。

スマートウォッチの録音機能

Apple watchを筆頭に、スマートウォッチで録音することも可能だ。
スマートウォッチによるが、バックグランドで録音した場合、iphone+「PCM録音」より凶悪なレベルで発見することが困難になる。
なぜなら、時計を表示させてさえいれば、録音中である表示がないからだ。

録音時間は、容量に。音質は、スマートウォッチのマイクに左右される。
しかし、超えるべきハードルは、別のところにある。

操作性だ。
ショートカットを設け、見なくても机の下や、立ったままでも後ろ手で。といった状況で録音を開始する必要性がある。
叱責が始まったからとスマートウォッチをスワイプして、タッチして。と悠長にやっている余裕はない。

こちらもスマホと同じように、事前準備を前提とするか、リスクヘッジとして利用するかとなる。

ボイスレコーダー(ICレコーダー)

結局、ここにたどり着く。
ボイスレコーダー。

Amazonで検索すると、山のように商品が出てくるが、ほとんどが中国製。
中国人の人柄を知り、製品に対する考え方を聞くと、「迷い」がでてくる。
安いけど、高品質なのでは?という淡い期待が原因だ。

操作性、録音データの保存・共有方法、録音の音質の3点のうち、私が特に気にしたのは「録音の音質」である。
なぜか?
音質が悪く、ノイズばかりで肝心の証拠となる音声が録音できていない。
という折角、ボイスレコーダーを準備したのに意味がなかったという事態を回避するためだ。

そこで、ビックコジマ、ヤマダ電機、ベスト電器、エディオン、ヨドバシカメラを巡り、家電量販店で取り扱いのあるものから、選択することにした。

ボイスレコーダーの候補として挙げたもの

自身の肉体的・精神的な健全性を担保するための証拠集めではあるものの、あまりに高額なものは避けていた。

それぞれ、候補としたものを呈示する。

1.オリンパス Voice-Trek VP-20
2.オリンパス WS-882
3.オリンパス DM-750
4.ZOOM H1 essential
5.TASCAM VR-01
6.TASCAM VR-02

オリンパス Voice-Trek VP-20を選んだ理由

オリンパスのVoice-Trek VP-20にTP8通話録音セットが付いたボイスレコーダーを選択した。
購入の決め手となったことを列挙していく。

1.USB(TypeA)でパソコンに直接データを転送できる

iphoneのPCM録音で録音したデータをGoogleDriveに直接格納できる楽さというものに比べると、面倒なひと手間ではあるが、パソコンとクラウドサーバーの両方にバックアップが可能になる。
もちろん、自前のパソコンがよい。パワハラを受けている会社のパソコンに保存する人はいないと思うが…

2.全指向性(全方位)マイク搭載であること

ボイスレコーダーであるため、単一指向性ではなく、全指向性(全方位)マイクで、音声を拾える方がよい。
単一指向性のボイスレコーダーは、メモやインタビューでレコーダーが見えても問題ない場合に限る。

3.スティック状であること

検討段階では、音質>>サイズ感で選定していたが、ZOOM H1essentialなどになると、胸ポケットに入れても存在感が出てしまう。
「何をポケットに入れているんだ?」という疑問を持たれてしまうと意味がなくなってしまう。
そのため、スティック状で、胸ポケットに入れた場合もマイクが、ポケットからちょこっと見える程度が好ましい。

4.録音開始のアクション数が1手であること

機種によっては、電源を入れ、録画ボタンを押す。録音開始のボタンを●●秒を保持。といったようなアクション数が必要となる。

スイッチをプッシュ・スライドすると「電源が自動でONになり、録音が開始される」というのがマスト。本機オリンパスVP-20は、録音ボタンをスライドすると電源オフの状態からでも1.5~2秒ほどで録音が開始。
実務面でいえば、「おい!ゴラァ!!」の一言を耳にした瞬間、録音ボタンをスライドすれば、次の一言目には録音が始まっていることになる。

オリンパスVP-20+TP8通話録音セットの中身

箱のサイズは文庫本よりも大きいが、かなり軽い。
プラの方には、本体、USBタイプA(オス)とタイプA(メス)のPC接続・充電コード、通話録音用イヤホン、そして電池。

紙箱には取り扱い説明書が入っている。

本体サイズはオリンパスの商品ホームページにあるとおり、長さ13センチ、幅1.7センチ、厚み1.7センチ(クリップ除く)といったところだ。

サイズ感として、スタイルフィットの5色軸と遜色ないものになる。

パワハラ・セクハラ対策での秘密録音時の本体設定

オリンパスの設計は実機を触ったことがあるのだろうか?というくらいにメニューボタンが非常に押しにくい。
格ゲーコントローラーのように、十字キーが丸くなっているのだ。このサイズで。

そのため本体の設定は、さあ録音を開始するまえにササっとではなく、自宅で、自室で椅子に座り、VP-20としっかり向き合ったうえで設定を行うべきである。
順番に説明を行っていく。

1⃣録音設定の前提条件を決める

パワハラ・セクハラ被害は人によって異なる。
私の行った設定は汎用性が高いが、全員が全員同じ設定にしてもピンポイントで言質を取れない可能性がでてくる。

特に、本体の設定は1秒単位も惜しい、言質を取りに行くつもりであれば、よりタイトな設定にすることをオススメする。

私は次の4条件で利用している
1.通話録音は不要
2.呂律の悪い低音の声の持ち主相手
3.会話は基本的に会議室で行われ、1対1である
4.突然、罵倒されたり怒鳴られたりということがない

2⃣本体の基本設定

電池を入れ、電源を入れると本体設定が始まる。
まずは時刻設定だ。
グレゴリオ暦での年月日、時間を丸い十字キーを使って、選択していく。

次に電池の種類になる。
同梱されているニッケル水素充電池を使っていれば、ニッケル水素充電池を選択し
別途準備したアルカリ乾電池を使っていれば、アルカリ乾電池を選択する。

①ソク録モードの設定

即時に録音できるモードとしての設定。
電池の消耗が激しいということで、私個人はOFFにしているが、録音ボタンのスライドだけで1.5~2秒で録音が開始される。

②オートパワーオフ

5分、10分、15分、30分、OFF(設定なし)で選択できるが、私個人は5分で設定。

③ジャック選択

イヤホンマイクなどを追加でVP-20につなげる可能性がある場合に検討したい項目。
VP-20単体で外部マイクを利用しない場合は「マイク」を選択する。

3⃣表示・音

秘密録音で重要なのは何か?

秘密であること。つまり、相手にバレないことが最重要となる。
そのためこの項目は、便利さと引き換えに隠密性を上げる設定を行っていく。

①バックライト

5秒、10秒、30秒、OFF(設定なし)で選択できるが、私個人は5秒で設定。
VP-20の隠匿場所にもつながるが、一切の光をもらしたくないときは、OFF。

②LED

実は、メニューボタン下に、オレンジ色のLEDが組み込まれていて、録音時とパソコン接続時に光る。
LEDをOFFにすると録音時のみLED発光が消える

③操作音

ボタンや録画の開始・停止の際に電子音がなるため、操作音設定で「無音」へと変更を行う。

④言語設定

日本語か英語を選択できる。

4⃣録音設定

ここからは、各人の利用状況によりけりになる。なぜなら、録音する場所・環境が異なると最適にはならないからだ。
そのため、色々なパターンで録音設定をいじりいくつかパターンを初日で録音することをおすすめする。
音声の確認は、自宅に戻って本体マイクではなくイヤホンやヘッドホンを利用する方がよい。

①録音レベル

オート、高い(会議)、低い(メモ)の3段階。
試したところ、汎用性が高いのはオートになる。

②録音モード

MP3 128K ST、
MP3 32K Mono、
MP3 8K Mon、
PCM

4種類から選択できる。
会話であれば、MP3 128k ST(ステレオ)で十分。

③擦れ音フィルタ

OFF、LOW、HIGHの3段階。
マイクの感度がよいので、衣擦れの音は基本的に拾ってしまう。
マイク部分が完全に洋服内に埋没する場合は、設定を変更しながらLOWかHIGHを選択して、録音状況を確認した方がよい。
本機を胸ポケットにさしクリップ留めしている場合、多少の衣擦れ音はあるがOFFでも視聴に多大な影響はなかった。

④セルフタイマー

3分、5分、10分、OFFの4段階。
事前に録音スイッチをスライドしたい!という場合を除き、OFFにして、いつでも録音できる体制にした方がよい。

⑤ローカットフィルタ

低音のノイズカットになるが、周りが騒がしい場合はONにして音声をクリアにする方がよい。

⑥VCVA

VCVAとは Variable Control Voice Actuator の略で、音声起動録音になる。
いつ、どのタイミングでパワハラやセクハラが始まるかわからないような状況下であればON。

デメリットとして、音声ファイルの数が膨大になり、該当箇所をパソコンで探すのが大変になるので並行して随時メモをとり、該当ファイルをサルベージしておく必要がある。

どこに忍ばせるか?

本体の電源を切った状態でHOLDにして、クリップがついているので、胸ポケットか、ズボンのポケットが望ましい。
とくにズボンのポケットに入れている場合、実に自然で、違和感のない動きで録音ボタンのスライドを行える。

あとは小まめに、自宅でパソコンのローカルやクラウドサーバーに保管すること。

クラウドサーバーについては、Google driveで十分だが、セキュリティのことを考えるならばProton driveもおすすめである。

まとめ

パワハラやセクハラで泣き寝入りして退職するのであれば、一矢報いてやりたいと思う心情はよくわかる。
コツコツと録音を行い、メモを行う。

ただ、法人と戦うには個人はあまりにも弱い。
そのため、録音、メモは当たり前で労働組合に加入することをオススメする。

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