2023年の7月。
私の1日当たりの残業時間はゆうに4時間を超え、6時間が平均になりつつあった。
時間が足りない。
業務量に比較して、とにかく時間が足りない。
そう思うことが日に日に増えていった頃にこの本を手に取った。
目次
4×4”時間感覚”のタイプ
正しい時間管理術は、「予期」と「想起」を調整することである。と本書はうたっている。
「予期」とは、今の状況の次に起きる確率が高い変化を、脳が「予期」したもので、未来のこと。
「想起」とは、今の状況の前に発生した変化を、脳が「想起」したもので、過去のこと。
この「予期」と「想起」を各4つずつに分類し、いずれかに該当する時間感覚の持ち主であるか?を一番最初に確認する必要がある。
「予期」にかかる時間感覚
1.容量超過…いつも時間に追われており、キャパオーバー気味の状態
2.禁欲家…しっかり計画を立て作業をこなすが、人生の喜びを見失う可能性が高い状態
3.無気力…基本的なモチベーションが低く、いつの間にか時間が過ぎている状態
4.浪費家…楽な作業ばかりを好み、重要なタスクが進まない状況
「想起」にかかる時間感覚
1.自信家…難しい作業にも果敢に挑むが、時に自分を過信して失敗している状態
2.怖がり…計画を立てるのはうまいが、失敗や批判を恐れて着手するのを先延ばししている状態
3.悲観主義…時間の見積もりが甘く、作業中は不安やイライラに振り回されている状態
4.楽天家…時間の見積もりが甘いが、なんとかなると思ってしまい同じ失敗を繰り返している状態
個人的な結果
「予期」が容量超過型で、「想起」が楽天家型。
2023年、2024年と何度か確認しているが、思考の方向性の関係で、この組み合わせが変わったことがない。
同じ状況になれば、同じような内容で苦労することが明白である。
時間感覚の確認方法
書籍25ページに20問の設問があるので、それを集計するだけである。
また、河出書房新社の「Your Time」サイトでもポチポチと選択して「回答する」のボタンを押し下げると自身のタイプが判定される。
「予期」の精度を高め、「想起」を正しく使いこなす
「予期」の精度を高める方法が13、「想起」を正しく使いこなす方法が11の計24個がある。
しかし、それらすべてが全員に適用されるわけではなく、「予期」と「想起」の分類から自分にあった方法を利用することになる。
それぞれ「予期」は第2章、「想起」については第3章で述べられている。
個人的な「予期」の精度を高める方法
容量超過型は「予期」の特性が「多くて」「濃い」ということになる。
メインとして、「プレコミットメント」
オプション3つあり、一つめが「リマインディング」、二つ目が「ビジュアライズ」、三つ目が「機能的アリバイ」となる。
もう一つのメインとして「SSCエクササイズ」
オプションとして、一つ目が「エンゲージメント速度を上げる」、二つ目が「熟慮プランニング」、三つ目が「障害プランニング」となる。
個人的な「想起」を正しく使いこなす方法
楽天家は「想起」の特性は「肯定的」で「誤り」であるということになる。
メインとして、「タイムログ」
オプションは2つあり、一つ目が「他人に時間を見積もってもらう」、二つ目が「コピー・プロンプト」となっている。
もう一つのメインととして「タイムログ・アドバンス分析」
オプションとして、一つ目が「誘惑日記」、二つ目が「ごまかし率を計算する」、三つ目が「想起リライティング」となっている。
深い思考に沈み、効率化と生産性の枠に囚われないように
文学を読み、他人のために時間を使うという非常に簡単な手段である。
まとめ
手帳術や、時間管理術でもオーバーフローしている際には、ぜひ読みたい本といえる。
ただし、徐々に、少しずつ改善していく方法がメインになるため即効性には欠ける。
長い目で見たときには、瞬間のことかもしれない。