目次
TSブラックベーシックの綴り紐が、ひきちぎれてしまう
数年前から、手帳を「ほぼ日」「フランクリンプランナー」と選んできたが、最終的に落ち着いたのは「ほぼ日」になる。
「フランクリンプランナー」のウィークリーコンパスでは、ウィークリーで必要な情報を全て書けないことにストレスを溜めていた。
つまりマンスリー、ウィークリー、デイリーの3点セットは、個人的な必須条件になっていた。
手帳のカバーとして、その手触りで衝動買いし、愛用していたほぼ日のカバー「TSブラックベーシック」
2022年。
TSブラックベーシックのカバーについている綴り紐が、2本ともちぎれてしまった。
購入とリペア目的で店舗を探す
妻と相談し、よいカバーがあれば購入。リペアも可能できれば相談するというところで着地した。
しかし、福岡市内のレザー用品店にも足を運んだが、求めるカバーはない。
HERZ博多店は、手触りのよいものがあったが、従業員皆職人といった風情で話しかけるタイミングがつかめず店を後にしている。
そして白羽の矢が立ったのが、山口県下関市の川棚にある革創作工房TSU-CHEY。
革創作工房TSU-CHEY(つっちー)へ向かう
革創作工房TSU-CHEY。ホームページにもある通り、日曜定休。
ならば土曜日しかない!と、リペアの相談をしたい旨伝え、ワクワクしながら約束した土曜日の午前中に訪問。
国道191号線にある川棚温泉駅。すぐ近くにあるゆめマート方面へ。
その後、川棚川を越えたら右折し東側へ向かう。
しばらく走ると川の反対に鉄塔があるので、それを目標に進む。
駐車場はめちゃくちゃ広いわけではないので、駐車時は要注意。
怪しさ満点の看板。
すこぶる、怪しい入口。
怪しさから、オシャレに切り替わる瞬間。
リペアではなく、ほぼ日用の手帳カバーをオーダーメイドでご依頼
店内に入ると、常連客と思わしき方と話しをされていたので店内を物色。
レザー製品に対する熱意は、以前に比べてかなり目減りしていたので物珍しさが勝つ。
常連客の方が退店し、声をかける。
店主のつっちーこと、土橋(つちはし)さんは、「お待ちしておりました」と柔和な笑顔で返してくれた。スキンヘッドなのに。
持参したTSブラックベーシックの手帳カバーを見せる。
返ってきた言葉は
「栞をリペアするのは簡単ですが、栞は消耗品です。千切れる度に縫い付けるのは革を痛めてしまいます。ホールを作るなどすれば交換は簡単になるけどどうしますか?」
こんな感じで。と、土橋さんが見せてくれたのは、文庫本のカバー。
しばしの沈黙。絞り出した言葉は、
「そうなんですね。すみません、たとえばこれと同じような手帳カバーのオーダーメイドは可能ですか?」
「できますよ。ただ、この手帳カバー(TSブラックベーシック)みたなクロム革ではなく、ヌメ革だから、かなりバキバキになりますよ。」
クロム革は、塩基性硫酸クロム塩という化学薬品でなめした革で、柔らか仕上げで耐久性が高い。確かにTSブラックベーシック本体は、栞は紙装甲ながら、本体そのものはかなり雑に扱っていたが大きな傷もほとんどない。
同じように所有しているレザー製品のほぼすべては、クロム革。
ヌメ革か…
遺品になるまで使えるな。
少しだけ逡巡し、発した言葉は「わかりました、ではオーダーメイドでお願いします」
ニッコリ笑う土橋さん。
製作、いや制作に、2~4週間ほど欲しいと言われるも、とくに急ぎではないのでお願いしますと返答。
出来上がったほぼ日カズン用の、ヌメ革手帳カバー
依頼したのが2022年11月下旬の土曜日。
年末年始頃になるかなと思っていたところ、12月に入って早々の連絡。
逸る心を抑えながら、再び、下関市の川棚へ。
嬉しさのあまり、こらえ切れず車内でパシャリ。
ほぼ日カズン用の、ヌメ革手帳カバーを自慢したい
車内でも撮影したが、表面。
ほぼ日の手帳カバーとおなじく「蝶番(ちょうつがい)型のペンホルダー」を実装。
深緑色とオレンジ色が好きだが、死ぬまで使うなら黒と思い至り
本体と、ペンホルダーのヌメ革の色は、黒。
打って変わって、内側のそで部分は赤。
ほぼ日の純正カバーには沢山のポケットがあるので、便利は便利だったが、さして重用しておらず、むしろガタガタになって文字を書きにくいと思っていたので
写真を一枚入れられるポケットのみで依頼。
同じく背面にカバーポケットを当初依頼していたが、シンプル・イズ・ベストにしようと思い背面ポケットは急遽キャンセル。
左そでには、革創作工房TSU-CHEYのロゴ。
右そでには、「Happiness Is Here」
妻に連れられて、人生で初めて東京ディズニーランドに行った。
そのときのパレードの名前がHappiness Is Here。
和訳もよい。「幸せはここにある」
幸せの青い鳥である。しかし、ヌメ革の色は赤。
縫い付けの糸の色も赤を選択し、ベタながらインパクトの強いカバーの仕上がりとなった。
ほぼ日カズンに、オーダーメイドのヌメ革手帳カバーを装着
おわかりいただけるだろうか。
これが、本当のシンデレラフィット。
寸分の狂いもなく、ほぼ日に重なることなくペンホルダーが鎮座している。
使い始めは、「TSブラックの柔らかい方がよかったかな」なんて思うくらいバキバキだった。
しかし、ものの1か月もしないうちにバキバキ感もなくなり、相棒感が出てきた。
最高である。