2023年8月。
ベンチャー企業に転職した後で、仕事量と子供の養育費や食費が順調に増加していくものの給料は変わらないで焦りを感じ始めた頃。
いつも立ち寄る書店の自己啓発コーナーで発見し、「やまもとりゅうけん」の名前に見覚えがあり購入。
目次
この世(主に日本)を支配する4つの裏ルール
本書もご多分にもれず、ヒーローズ・ジャーニー(神話の法則)に則った自己紹介からはじまる。
どん底から這い上がっていく姿に、読者は自分を重ねてしまうからだ。
「はじめに」と「序章」の前段を、やまもとりゅうけん氏の紹介になるが、自己紹介から「正式ルールと裏ルール」の紹介にカチッとつながる。
序章では、簡単に裏ルールの概略が書いてあり、各章でルールごとに深堀りが始まる。
裏ルール1.「適性」はいらない、「戦略」を活かす
本章で語られる内容は、
「適性」に踊らされることなく「自分探し」を辞め
「抽象的な夢」ではなく「具体的な数値化された目標」を作り「期限」を決める。
あとは、「無能で動く」のではなく「戦略的に動く」こと。
そして「撤退ライン」を自分の中で決めておくこと。
自分探しといえば、八木仁平氏の「世界一やさしい「才能」の見つけ方 一生ものの自信が手に入る自己理解メソッド」のワークを実践していた。
1,000個の「才能」の中から、例えば私は「492:傲慢になる→自分の考えを他者に同調させる」が該当し。その他18個ほどピックアップした。
ピックアップしたものを抽象化していくと「いい加減な子供」というのが私の「才能」のようだ。
Will Must CanのWill(こうありたいという理想)を書き出すことは、無駄であり成功した後の娯楽で十分である。とあるが、「具体的な数値化された目標」を描くにあたり、相反する内容ではないか?とモヤモヤしていたが、
「具体的な数値化された目標」ではないWillの部分を切り捨てる。
例えば、「〇〇歳までにスカイダイビングをする」は、成功した後に考えればよい。しかし、コーヒーショップを開店するために、店舗の坪数、テーブル・カウンター数、回転率、利益率などの基本的に稼ぐための計画、事業計画はしっかり作れ。
ということを言及しているのだと思い至り肚落ちした。
裏ルール2.努力は競争をたのしむ"ゲーム"
適性を考えず、自分ができることをやる。目標を数値化し、期限を決めて戦略的に、市場があるところで動く。ということを言及している。
マーケティングの用語に、プロダクトアウト・マーケットインというものがある。
ざっくり言えば、プロダクトアウトは「商品が先、市場が後」でマーケットインは逆。「市場が先で、商品が後」になる。
速攻性の観点からマーケットインであるが、プロダクトアウトは市場を作るので長期展開が望める。
しかし、本書は「個人のできること」での勝負であるため、マーケットインを推す。
「競争の回数と種類を増やす」項目は特に必読の箇所と考える。
裏ルール3.減点方式で戦う
私が小学生の頃から、世界は「減点方式」に満ち溢れていた。
成績の相対評価、内申点、試験、面接、適性検査。
これがなぜが、社会人として過ごしていくうちに「減点方式」の頭から「加点方式」に切り替わって働いていることに気が付く。
例えば、「新しい企画が通った」「俺よりもできないアイツがなぜ評価される?」「同期の中で一番俺が優秀なんだ」「あいつはすごいよ。あいつには勝てない」
などのセリフが口をついたり、ドラマで聞いたりとしたかもしれない。
しかし、管理監督者になり人事考課を行うとわかる。
世界は変わらず「減点方式」のままだ。
ふろむだ氏の「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」では、錯覚資産としてハロー効果を上げていた。
しかし、本書では「できないことはできない」ということで、最初のハードルを下げ「減点」を減らしていくことを推奨している。
私としては、「できないことはできないと言える、なんだかすごい人」というイメージを会社で作る方がよいと思う。
裏ルール4."逃げる"ことこそ最高の努力
「経済的不安が限りなくゼロに近づいた状態=人生逃げ切り」と本書では定義されているが、FIREとはまた別である。
サラリーマンで平均年収を超えても、正直、生活はキツい。
子供を抱えていると、成長に伴って毎月の支出はどんどん増えていく。しかし、昇給額はスズメの涙。
10年前に現年収だったら「楽だっただろうな」と思いつつも「5年後10年後を鑑みると足りない」と判断するわけだ。
であれば、経済的不安は常につきまとった状態であるため「悪魔の奴隷」といえる。
感想として
X(twitter)をビジネスで利用していたとき、よく更新したし、よく交流を行ってきた。
しかし私個人としては、内向的な陰キャである。個人のXはほとんど更新を行っていないし、フォローはせず、されず。
そんな私だが、Xの共同創業者Jack Patrick Dorsey(ジャック・ドーシー)が作ったSNS、Blueskyの登録を行った。
Blueskyは通知もなく、非常に穏やかな時間が流れている。
しかし、ビジネスで使うには、Blueskyではなく、Xになる。
有象無象の人格の坩堝であり、批判と非難の正義厨。情報弱者を狙う情報商材屋。そして本物の人。
「理想の人」を探すときに、濁流に飲み込まれてしまわないように注意されたい。
TTP(徹底的にパクる)前に、いいカモにならないように。
どの本にも言えるが、「行動」しなければ何も変わらないという不変の法則がある。