数値化の鬼の感想

2022年に一番売れているビジネススキル本とあったが、ひねくれものの私は買わなかった。
しかし、2023年。
業務のうち定性的(数値化できないことがら)をどうにかできないかと思い悩み、迷った上に、悔しい思いをしながら購入に至った。

数値化とは何か

そもそもだが、数値化とは何か。
数値化とは、目標や評価を数値にすることであり、目標、行動、評価、改善を行うためである。

要は、PDCAサイクルをしっかり回すために、数値化していこうね。というのが本書の内容でP78から書かれている。

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計画に時間をかけるのは、無駄

Planにとにかく時間をかけないこと。即実行しなさい。
計画を立てるのは、「捕らぬ狸の皮算用」である。ということを謳っている。

この点は、個人的に理解できる点と、違うかな?という点がある。
まず、理解できる点。
ざっくりとした計画(ゴール)があり、そのゴールに向かって、流動的に変化を起こしながら進めていく場合に、詳細な計画は不要だといえる。
これは、ベンチャー企業の動きに近い。

違うかな?という点は。
これはデータベース構築といった内容で、とりあえず作って稼働させながら改変を。という指示に近い。
データベースを作る際の要件定義には時間をかけて、しっかりとした計画を立てる必要がある。
でなければ、パッチ(修正)の地獄が始まるからだ。

そのため、圧倒的な行動量を起こすためには、計画がどちらになるかという判断がまず必要であると考える。

明快な目標と圧倒的な行動量

数値化を行った場合、パッと理解できる数値目標にすることが必要である。
そして数値目標を達成するために、圧倒的な行動量が必要になる。

というのも、目標や計画を立て逆算することで、年→半期→四半期→月→週→日と落とし込みができる。

そんな当たり前のことが長々と書かれている。

百分率、確率や平均に騙されないようにする

数値、数字を扱う人間にとっては、当たり前のことではある。

百分率から、確率、平均値と色々な数値に触れるだろう。
しかし、結果だけをみるのではなく、元データもちゃんと確認しましょう。

そんな当たり前のことが長々と書かれている。

変数を見つける

プログラミング言語をあつかうと、変数、定数、引数というものに出会う。

変数(へんすう)とは、データを一時的に記憶させる領域をいう。

定数(じょうすう)とは、特定のデータや数値に名前を定義したものをいう。

引数(ひきすう)とは、プログラムの実行で算式等に渡す値をいう。

しかし、本書での変数とは、数値を変更することができるもの。と判断できる。
参考例としてプレゼンテーションがある。
プレゼンテーションの資料作成 → 変数ではなかった
プレゼンテーションの伝え方  → 変数だった

書面ままのだと、説明がめんどうくさくなるためアレンジを加える。
得意先で、当社・競合でプレゼンを行い、得意先と契約を獲得する。という目標があるが、受注獲得に繋がらず苦戦が続いている。そのなかで、
① プレゼン資料の程度が低い
② プレゼンターの説明の程度が低い
というものを感じ取ったときに、どちらが変数となりうるか?というものである。

要は、効果がでる改善は何か?ということである。

真の変数を見出して、不要な変数を削減する

変数は増加する。だから、本当に必要な変数を見つけよう。ということが書かれている。

改善すべき点があるのであれば、できることは2つである。
① 決め打ちで、改善事項を決めて改善していく
② 理系の実験のように、しらみ潰しで改善していく

仮説と検証を行うことで、改善が進んでいく。
①の場合は経験則によることが多い。
②の場合は経験が低く、これから経験を積む。または全く知見の無い状況
という前提条件がある。

まとめ

「仕事ができる人」に共通するたった一つの思考法。

目標も計画もなしに、何かを成し遂げることは難しい。PDCAサイクルのPlanは、予定。
予定は未定で、流動的でよい。

ただ、本書を読むためのキッカケである「定性的なものごと」を数値化できるのか?という期待で購入したものだから、読書中、読了後の「これじゃない」感はすさまじいものだった。

本書を購入するきっかけが、今まで数値と馴染みのない生活を送ってきた、PDCAサイクルに触れてみたい、これから数値に触れていくであろう新入社員であればおススメできる。

手帳に目標と計画、予定を書き、目標達成のための行動まで落とし込めている人にとっては無用である。

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